世界のほとんどの国は「ハンコ」ではなく「サイン(署名)」社会です。
オーストラリアの普段の生活ではキャッシュレス化が進みカードで支払うことが多く、基本サインなしで買い物ができます。
しかし何らかの書類にサインを求められることは結構あります。
海外在住の方、もしくはこれから外国に住む予定の方、書きやすいあなた独自のサインはお持ちですか?
海外なんて関係ないと思っている人でもサインについて考えたことはありますか?
私は数年掛けて日本のパスポートのサインとオーストラリアのサインを統一して気持ちがスッキリしました。
今回はそんな私の経験を元にサインのお話です。
もし「サインを変えたいなー」と思ったら今が変え時ですよ!
日本のパスポートのサインはカタカナでした
「脱ハンコ」という言葉がここ数年広まってきています。
とはいえ日本に住んでいると今でもハンコを使う機会はまだあります。
ハンコがベースにあるからか私が日本にいた頃、サイン(署名)について考えたことはほとんどありませんでした。
クレジットカードでサインが必要な場合は「漢字でフルネーム」。
接客業で働いていた時に多数のお客様のお会計を担当しましたが、カードのサインはほとんどの方が同じく漢字でフルネームでした。
唯一、約10年前にパスポートを切り替える際に少しだけ署名について調べ、その時は「カタカナのフルネーム」でサインしました。
少しだけ人と違うサインにしたかったんです。
オーストラリアで筆記体でサインしてみた
6年前にパートナーMaxと日本で出会い、オーストラリアで暮らすことになった私Carrot。
初めのうちは観光ビザで日本とオーストラリアを行き来していました。
しばらく経って本格的にオーストラリアに移住することに。
住むとなったら銀行口座を開設しよう、ということでMaxもお世話になっているNABへ。
滞りなく手続きは終わり、キャッシュカードは後日郵送で自宅に送られてくるとのこと。
最後に銀行員に「ではここにサインをお願いします」と書類とペンを差し出されました。
突然のサイン?えーっと、サイン...
と何も考えずに「筆記体でフルネーム」のサインをしました。
サインを終えた直後に何かもやもやしましたがその時は何が原因か気づかず、そのまま銀行を後にしました。
長くて個性的でないサインは嫌だ!
1週間ほどで銀行のキャッシュカードが届きました。
新しいカードを受け取るとすぐ裏にサインをしますよね。
手にしたカードを前にやっとあの時に感じたもやもやの原因を特定。
私、あのサイン嫌だ!
フルネームで筆記体だと長い。書くのに5秒くらいかかる。そして書きづらい。
オーストラリアはサインなしで銀行のカードを使える機会が多いとは言え、基本サイン文化なので、事あるごとに長ったらしいサインをしたくない。
ビジネス文書等でよく見かける、外国人特有のぐるぐるというか、グチャッとした感じのサインに私もしたい!(表現が稚拙ですみません)
そこでふと湧いた疑問。
銀行でしたサイン、変更できるかな?
口座開設の時の記憶を辿ると、銀行員は私のパスポート(カタカナのサイン)を確認していました。
しかし最後の書類に私が英語の筆記体でサインをしても特に「サインが違います」と突っ込まれませんでした。
それなら銀行のサインを変更できそう…。
変えるならパッと書けて真似されにくいクールなサインに変えたい!
それがきっかけでサインについて調べることにしました。
Maxは15歳の頃からずーっと同じサイン
ちなみにMaxはそれこそ外国人特有のぐるぐるサインです。
いつからそのサインでどうやって考えたの?
14-15歳くらいかな。なんとなくで決めたよ。
なんとなくで決めたサインを30年以上使ってることに驚き。
でも横で見てるととても書きやすきやすそうで真似されにくいサインなんです。それに1秒で書ける。
そんなサインができれば一生ものになりますね!
サインは基本なんでもOKのフリースタイル
銀行のキャッシュカードやクレジットカードにおいて、日本人だからといって漢字や英語の筆記体のサインでなければならないという決まりはありません。
それに必ずしもフルネームのサインでなくても構いません。
例えば苗字の「鈴木」だけでも、名前の「花子」だけでのサインでも大丈夫です。
私の場合、苗字は今後何かあった時にもしかしたら変わる可能性がなきにしもあらず…。
なので下の名前のみでサインを作ることにしました。
サインの作り方の英語サイトを参考にしてみたり。
有名人のサインも参考にしてイメージを膨らませてみました。
これがなかなか楽しい作業でした!
英語の筆記体をベースにかなり崩して書きやすいサインを紙に何度も書きながら試行錯誤。
そして2日ほどかけて練習を重ね、ササッと書ける自分にしっくりくるサインが完成しました!
当時私が参考にしたサイトではありませんが、このwikiHowのページはサインの書き方を詳しく紹介しています。
日本語ページを見つけたので、気になる方はどうぞ↓
銀行にサイン変更しに行きました!
お気に入りの自分のサインが完成したものの、そんな簡単に銀行のサインを変えることはできるのでしょうか?
ネットで調べたり、周りに聞いてみてもよくわからず。
それならば直接銀行に行って聞いた方が早い!ということで銀行へ向かいました。
届けているサインを変更したいのですが可能ですか?
できますよー。ちょっとお待ちくださいね。
なんとも軽い返事をいただきました。
口座番号を伝えて本人確認にパスポートを提示し、指定された書類に新しいサインをして完了。
ほんの2分程で終わりました。
(この時も「パスポートのサインと違う」指摘されることはありませんでした。)
帰宅後、空白のままにしていたキャッシュカードに新しいサインを署名。
晴れてオーストラリアの銀行で私の作ったサインが正式に認められました!
キャッシュ(クレジット)カードに既にサインした後でサイン変更した場合はカードの再発行が必要かもしれません。詳しくは銀行に問い合わせてください。
念のためにビザ申請はパスポートのサインに合わせました
銀行で口座開設をした後にパートナービザの申請を行いました。
世界中のパートナービザの中で世界一高いと噂されているオーストラリアのパートナービザ。
私のみならずMaxとの2人の人生がかかっている大事なビザ申請。
申請書内に何度かサインをする機会があったのですが、こちらは念のためにパスポートのサインと合わせて「カタカナでフルネーム」にしました。
もしかしたら英語のサインでも良かったかもしれません。
私たちはエージェントに頼らず自力で行ったので正解はわかりませんが、結果ビザは無事降りたので良しとします。
しかしこのビザ申請を通して、せっかくお気に入りのサインができたらから次回パスポートを切り替える時はサインを統一したいと考えるようになりました。
自作のサインをフル活用!
ビザ申請後はさまざまな場面で自作のサインをフル活用しました。
- メディケア(国民健康保険)の申し込み
- 仕事の契約書
- スーパーアニュエーション(確定拠出年金制度)の加入
- クレジットカードの申請
- 日本からビクトリア州へ運転免許証の書き替えなど
サッと書けるのがスカッと気持ち良いです!
特に日本からオーストラリアに運転免許証の切替をした際、こちらのライセンスには表面にサインが表示されるため自信をもって自分のサインをしました。
サインひとつでこんなに幸せになれる私はちょっとおかしいのかもしれません(笑)
10代の頃から海外での生活に憧れがあったので、無意識にサインへの憧れがあったのでしょうか。
自分でデザインした納得のできるサインを持つというのは意外にも幸福度を上げてくれることに気が付きました。
パスポートのサインも統一できた!
今年は私にとってパスポートの切替の年です。
本当は日本でイイ感じの証明写真を撮ってもらいたかったのですが、コロナ禍で一時帰国もできません。
引っ越ししたらパースから遠く離れた村に住むので手続きに時間がかかりそう。
なので引っ越し前にメルボルン総領事館で切替申請をすることにしました。
パスポートのサイン(所持人自署欄)は以下のように指示されています。
必ず申請者本人が日本字かローマ字(筆記体が望ましい)で署名してください。
引用:愛知県「旅券(パスポート)の申請・受け取り」の「署名について」
要は「漢字・ひらがな・カタカナ」か「ローマ字(なるべく筆記体)」でお願いします、と。
私はいつもの筆記体ベースのかなり崩したサインをして申請。
結果、なんの問題もなく申請は受理され、後日新しいパスポートを受け取りました。
オーストラリアの銀行で自作のサインを登録してから3年以上の時を経て、日本とオーストラリアでサインを統一することができました!!
これでもう「今は自作のサインをする」や「ここはパスポートに合わせてサインした方がいいかな?」と考える必要も手間もありません。
Maxのように今後20年30年と長く使っていけるサインができて大満足です。
オリジナルのサインのまだない人は作ってみよう!
日本のクレジットカードも最近は暗証番号の4桁を押すだけで決済ができるためサインをする機会は減っているかもしれません。
しかし海外旅行の際に日本のカードを使用した場合、従来通り店舗控えのレシートにサインを求められる可能性があります。
世界のどこにいてもどんな時でもサッと秒で書ける、一度作ってしまえば思いのほか便利なサイン。
まだお持ちでないようなら、この機会にオリジナルのサインを作ってみませんか?